09.02
エフクリニック 培養室インタビュー(青森)
このたび、青森市にて不妊治療を実施されている産婦人科クリニック「エフクリニック」の胚培養士の皆さまにインタビューをさせて頂くことが出来ました。
エフクリニックは青森では数少ない高度生殖医療を行える施設であり、院長の藤井先生は青森には珍しい不妊治療のスペシャリストです。
そんな地方都市で皆さんがどのように治療にあたられているのかを聞いてみました。
胚培養士になったきっかけについて教えてください。
A:出身が北里大学なのですが、在学中に浅田レディースクリニックの福永さんの講演があり、胚培養士の存在を知りました。そして、胚培養士になりたいと思いながら大学での研究に取り組み、就職に至ります。
ということで、福永さんがきっかけとなります。
B:北海道の酪農学園大学で畜産を勉強していました。
最初の就職では牛に関する仕事をしていましたが、結婚して妊娠する過程で上手くいかなかったこともあり、こちらに興味がわいたことがきっかけです。
同じ研究室に胚培養士になる人もいましたし、だんだんと人間に関心が向いてきましたね。
C:全く関係のない業種から転職をして胚培養士になりました。
元々は県外で働いていたのですが、青森へ戻ってこようと思い仕事を探していた時に、ちょうど妻が妊娠をしていて産婦人科が身近なところにあったので、応募することにしました。
エフクリニックを選んだのはなぜでしょうか?
A:元々、大学を卒業してからは東京のクリニックに勤めていたのですが、環境に馴染めず、体調を壊してしまいました。そして、実家があるこちらへ帰ってこようとしたタイミングでちょうど募集をされていたので、エフクリニックを選びました。
B:自分が出産を経験して、こういう仕事をしたいと思っていたところに募集があったのでこちらを選びました。
青森県で高度生殖医療が出来るところは限られていますが、こちらには県内の各地域から患者さんがいらっしゃいますか?
弘前の人は弘前大学に行かれる方が多いと思います。
陸奥や野辺地方面の方はこちらに来られる場合がありますね。
八戸の場合、不妊治療を実施されるクリニックがありますが、人数制限をされている関係で、こちらを受診される方もいらっしゃいます。
青森県は広いので、当院も広い地域からお越し頂いているのが現状です。
エフクリニックにおける、ラボのこだわりについて教えてください。
最近は、精子の酸化ストレスに注目をしています。
従来とは異なり、遠心をかけないタイプの精子の調整法なのですが、これを酸化ストレスの高い患者さんにしてあげることで受精率の向上や胚の成長が期待できるため積極的に取り入れています。
青森県で研究会や勉強会の開催がないと思いますが、自己啓発はどうされていますか?
学会誌を見て学ぶほか、遠いのですが学会に参加して色々なことを吸収しています。交代にはなりますが、顕微授精の実技講習にも行くことがあります。
どうしても地方なので、東京などで行われることの多い勉強会や学会に対し、交通アクセス的にデメリットがありますが、そこは院長とも相談して、積極的に学ぶ姿勢は保っていこうと思っております。
胚培養士としての仕事のやりがいについて教えてください。
なんといっても、一番は妊娠して出産されることですね。
長い期間、結果が出ていなくてやっと妊娠したという話を聞くと、この仕事をやっていて良かったなと思います。
胚培養士の仕事は連携が必要だと思いますが、チーム医療を進めるにあたり気を配っていることがあれば教えてください。
お互いに助け合うようにしています。
やはり、子供がいると急に熱を出すこともありますが、そういう時でも勤務を代わってもらうなど個々の事情に応じて協力しながら仕事をしています。
今度のビジョンについてお聞かせください。
昨年、タイムラプスを導入しました。まだ1年ほどしか経っていませんが、自分達なりに調べ、勉強をして活用していくことができたらと思っています。
タイムラプスを実際に使ってみると、胚というのは教科書的な成長をしていないということがわかりました。
不妊治療がうまくいっていない場合、1個の細胞が急に3個に増えるなど異常分割のような事例を持つ患者さんが多いので、それを何とか救うことができる方法を今後は考えていきたいですね。
まとめ
実を言うと私にとっては青森での胚培養士取材はエフクリニックが初めてとなります。
どうしても不妊専門クリニックと言うのは大都市がメインになることもあり、地方都市の状況がなかなかつかみにくいですが、今回取材してみて、青森の皆さんも他地域と同じように真摯に取り組まれている様子が分かりました。
青森の患者さんだけでなく、これから転勤や異動で青森に行かれる方も多いと思います。この記事を機にぜひ青森の不妊治療の状況も知っておいて頂ければと思います。
最後に仕事の合間のお忙しい時間に快く取材を受けて頂いたエフクリニックの培養士の皆さまにこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
<関連サイト>
エフ.クリニック
エフ.クリニック院長 藤井俊策先生のインタビュー記事
https://aomori-medical.com/interview/efclinic/
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