2018
08.14

一人前の培養士になるまで(2)~敬語とダブルチェックの極意について〜

胚培養士について

皆さま、こんにちは。培養士歴21年のラパラです。
今回も新人培養士に向けたアドバイスを書き綴ってまいります。ぜひご覧くださいね。
 

敬語の使い方

新人の培養士の方、敬語の使い方の訓練を受けたことはありますか?おそらく新卒の方ならばそのような経験はないと思います。敬語をうまく使えないということは社会人としてとても恥ずかしいことです。

医療現場はビジネスマンと違って、そんなものは必要ないかと思ったら大間違いです。最近の医療現場では、患者様に対してホテルマンのようなサービスを求められることもあり、敬語は欠かせませんし、スタッフ間のコミュニケーションにおいても敬語をうまく使う人はコミュニケーション上手になること間違いなしです。

つまり、医療現場といえど、敬語が使いこなせなければ、一人前の医療人とは認められない時代になっているのです。

ここでは、敬語の使い方を詳細にレクチャーしませんが、敬語を勉強しておくことはとても重要だということをお伝えしたいと思います。いまは、いろいろそのような類の本もありますので、是非、ご自分で勉強なさってください。そして、最初は間違っても良いですから、積極的に敬語を使ってみてください。繰り返し使っているうちに、自然に身についてくるものです。

ダブルチェックの極意

すべての医療的処置に対して、エラー(精子、卵子、胚の取り違えや、操作ミスなど)を防ぐために、ダブルチェックを実施します。ダブルチェックの意義は、二人目が確認することで、違う視点からのチェックも可能になり、エラーの確率を下げることにあります。

具体的な実施法としては、ID番号や名前、あるいは、今からどのような操作を実施するか等について、声に出して他者に説明し、指差し確認をしてお互いにチェックしあいます。

ただし、このダブルチェックもただ単に二人で機械的にチェックするというだけなら有効性は低いと言われています。「いまどういった処置をしているか」「自分のチェックが抜けたらどうなるか」を考えながら確認することが重要です。

急に忙しくなったり、あるいは、複数の検体が一度に手元に届いたりすると、ダブルチェックを実施していても、「責任の分散」が起きることがあります。つまり、「自分のチェックが抜けていてももう一人が気づいてくれるだろう」ということでいい加減にチェックをしたりすると、これは、もうダブルチェックではなく、シングルチェックしか実施できていないことになります。こういったときにエラーが起きてしまいます。

また、新人がダブルチェックに参画した場合、先輩の言うことを鵜呑みにして、「先輩なら間違わないだろう」ということで、「責任の分散」が起きることがあります。これも全くダブルチェックになっていないということですね。

勤務しだして間もない頃は、上司、先輩のミスを見つけてもはっきり指摘することに躊躇してしまうでしょう。ですが、その躊躇はまったく不要です。ダブルチェックの極意とは、相手が誰であれ、「敬意をもって疑う」ことにあります。どんな優秀な上司、先輩であってもミスをすることがあるという心構えで、ミスを見つけたらしっかりと指摘しましょう。そのことが結果として、患者様、上司、先輩、自分、ひいては、クリニックを守ることになります。

 

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