2019
07.30

一人前の培養士になるまで(7)〜胚の評価法について〜

胚培養士の基礎知識

今回は、胚の評価法についてお話します。胚の評価は胚移植時に妊娠の可能性の高い胚を選別するという点で非常に重要です。現在、胚の評価については、初期胚期の4-8細胞期と胚盤胞期で実施されることが多いです。

 

初期胚期(4-8細胞期)の評価

初期胚期の評価法としては、Veeckによる5段階(G1-G5)の分類がよく用いられます(図1)。Veeckによる分類では、形態的評価(細胞の均等性とフラグメントの割合)によってGradeを分けています。

G1:細胞の形態が均等でフラグメントを認めない胚

G2:細胞の形態が均等だが、わずかにフラグメントを認める胚

G3:細胞の形態が不均等な胚

G4:細胞の形態は均等または不均等でかなりフラグメントを認める胚

G5:細胞をほとんど認めずフラグメントが著しい胚。

 

このような観点で、一番左の胚を評価すると、8G1となります。G1が最も形態良好であると評価し、妊娠率も高いと言われています。

 

胚盤胞期の評価

採卵後5-6日目に胚盤胞期まで発生している胚について評価します。ここではGardnerの評価法についてご紹介します。

最初に、図2の①胚盤胞の成長段階について説明します。成長段階については、胞胚腔の占める割合、拡張(胞胚腔の拡張にともなって透明帯が薄くなる)、ハッチング(透明帯からの脱出)の程度により6段階(1から6)にわけて評価します。

 

1:胞胚腔が50%未満の状態

2:胞胚腔が50%以上の状態

3:胞胚腔が全体にいきわたり、内部細胞塊と栄養膜細胞が識別できる状態

4:胚盤胞が拡張し、透明帯が薄くなっている状態

5:胚盤胞が透明帯から脱出中の状態

6:脱出が完了した状態

 

内部細胞塊については、A:密で細胞数が多い、B:疎で細胞数が少ない、C:細胞数は非常に少ないといった観点から3段階で形態評価します。栄養膜細胞についても同様に評価します(図2の青の塗りつぶし部分)。

 

一般に、胚盤胞のグレードを表記する場合は、①成長段階②内部細胞塊③栄養膜細胞の順に評価します。このような観点で、図2の写真の胚盤胞を評価すると、4BAとなりますでしょうか。

一般に3BB以上である胚盤胞は良好胚盤胞と言われ、妊娠率は高いとされています。

 

胚を評価する上でのポイント

・VeeckのグレードとGardnerのグレードは、まったく見方が違うので、患者様にもその違いがよくわかるように説明しましょう。

・Veeckのグレードについてはフラグメントの割合の概念を加味して、施設ごとに多少改変していることが多いです。しっかりと確認しておきましょう。

Gardnerのグレードについては、発生段階をしっかり頭に入れると、意外と簡単に評価できます。しっかりと覚えておきましょう。

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