2020
03.15

妊娠と子宮内フローラについて

不妊治療の基礎知識, 胚培養士の基礎知識

妊娠の仕組みについてはまだ解明されていないことが数多くありますが、近年、発表された海外の論文で注目を浴びているのが子宮内フローラです。これまで長い間、子宮内には細菌がいないと考えられていたのですが、2015年には米国ラトガース大学の研修者らが子宮内の善玉菌、ラクトバチルス菌の存在を示し、翌年、2016年には米国スタンフォード大学の研究でラクトバチルス菌と妊娠率との関係が報告されています。

以前より、腸内フローラ、つまり腸内の善玉菌を増やし環境を整えることが健康につながるということが言われていますが、子宮についても同じように細菌の存在が明らかとなり、それが妊娠に影響するというのです。

ラクトバチルス菌はいわゆる善玉菌であり、普段は膣や子宮の雑菌の繁殖を防ぎ、免疫力の向上に寄与していると考えられています。しかし、何らかの理由でラクトバチルス菌が減少しバランスが崩れてしまうと、膣内や子宮内の雑菌が増えて子宮内膜炎や卵管炎などを引き起こす可能性が高まります。

膣や子宮内で起こる炎症は、流産や早産のリスクを上昇させることが知られていますし、海外の論文においても、子宮内に存在するラクトバチルス菌が90%以下の場合は着床率や妊娠継続率が低下し、出生率にも影響を与えるという報告がなされています。

このように、妊娠に大きく関係している子宮内フローラは、バリノス株式会社が提供している検査で簡単に知ることができます。この検査では、膣液や子宮内膜液を採取して次世代シークエンサーを用いたDNA解析を行うのですが、子宮内フローラが近年、注目を浴びていることもあり、子宮内フローラ検査を取り入れている施設も増えてきました。

また、株式会社アイジェノミクス・ジャパンが提供しているEMMA検査またはALICE検査でも、子宮内フローラの検査を行うことができます。EMMA検査では子宮内の細菌叢を解析し、ALICE検査では、子宮内に存在している悪玉菌について知ることができます。

どの検査においても、良好胚を複数回移植したにも関わらず妊娠に至らない場合や、原因不明の不妊症の方を対象としています。

検査結果が芳しくなかった場合は、抗生物質で望まない細菌を取り除いたり、サプリメントで子宮内環境を整えるところもありますが、日頃の積み重ねも非常に大切だと考えられています。食生活や適度な運動など、妊娠しやすい体づくりは子宮内フローラを増やすことにもつながります。

株式会社バリノス

https://www.varinos.com

株式会社アイジェノミクス・ジャパン

https://www.igenomix.jp

 

 

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