2016
02.15

胚培養士ってどれくらいで一人前になれるの?

胚培養士について

今回は、胚培養士が一人前と言われるまでにどのような過程を辿ることになるのか、そしてその期間についてご紹介していきます。

以前こちらでご紹介しましたが、胚培養士になるには大学の農・理・医・生物工学系学部で畜産学やバイオサイエンスを専攻していたり、すでに臨床検査技師としての業務を行っている人が、医療機関にて経験を積む必要があります。また、いくつか存在する専門の教育機関で学ぶという方法もあります。

それらの詳細については、こちらをご覧ください。
胚培養士になるのにはどうすればよいのか?

現在は大半の胚培養士が、大学卒業後に各医療機関で経験を積むスタイルをとっています。ですが、たとえ専門の教育機関で学んでいたとしても、卒業しただけでは決して一人前とは言えません。

その時点ではまだ、ほんの基礎的な部分を身につけたにすぎず、それからの伸び代は個々人の意欲や経験によって、いくらでも無限大に広がる可能性があるのです。

胚培養士について、最も必要な資質は器用さだと考える人が多いのですが、それは正解でありながらも全てではありません。なぜならば、器用さはある程度訓練することで一定レベルに達しますが、命を扱っているという重圧や責任感、やる気や貪欲さがあってこそ務まる仕事だからです。

メンタル面を強く持てるからこそ、より良い結果を追求するために何度も立ち上がることができるのではないでしょうか。

話は少し逸れてしまいましたが、やはり優れた、一人前の胚培養士には相応の技術と知識が必須です。学会の資格制度は存在していますが、公的資格を望む声もあり、胚培養士を取り囲む環境は発展途上でもあります。

それ故、彼らが経験を積もうとする医療機関によって、また誰に師事するかによって左右される部分も多いことは否めません。

例えば、大都市圏と言われる地域には体外受精や顕微授精の症例数が多く、胚培養士も多数抱えているクリニックや病院が存在しています。

そういったところでは、チームとして業務に従事していますし、研修も独自の体制を整えています。その半面、自らの手で一から十まで行えるような経験を積むには、少しゆっくりとした歩みになるかもしれません。

一方、地方に目を向けてみると医療機関に胚培養士が1人だけ、ということも珍しくありません。こういった場合は早く仕事を覚えて実践していく必要がありますので、より早く一連の技術を習得することができます。そうしなければならない、という事情も背景にあるわけですが。

しかし、このようなケースでは学会などへの参加によって穴を開けることはできないので、終日または長期の参加は難しい傾向にあるようです。また、他の医療機関で働く胚培養士とのネットワークを構築し、活用していく積極性も不可欠です。

このように、一口に医療機関で経験を積むといってもそのスタイルは千差万別であり、自分に合ったところを選ぶことも技術向上や今後描く未来図に大きな影響を与えるでしょう。

そして、一人前になるまでの時間ですが、一般的に2〜3年くらいかかるといわれています。ただし、先述したように医療機関での研修体制や、個々人の熱意、積極性などによっても大きく変わってきます。

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