2019
02.15

ヴィトロライフ(株)代表 ヘデンスコッグマルクス博士取材記

インタビュー

今回は、エンブリオスコープ・プリモビジョンで注目を浴びているヴィトロライフ社の代表でもあるマルクス博士にお話をお伺い致しました。

もともと、培養液からはじまったヴィトロライフ社ですが、近年では不妊治療の医療機器でも高い評価を得ています。会社としての思いやこれからのビジョンについて詳しく聞かせていただきました。

まずは、ヴィトロライフ社の成り立ちについて教えてください。

ヴィトロライフ社自体は、25年ほど前に設立されました。

いまはオーストラリアにいらっしゃるDavid K.GARDNER(ディヴィッド ガードナー)先生と共に、培養液に関する研究をして初めて商品化したのがはじまりです。それまでIVFはまだ普及していなかったのですが、それを我々が標準化し、商品化したということになりますね。

最初は培養液からスタートしたのですが、今はタイムラプスなどの機器製品も取り扱っています。培養液も重要ではあリますが、現在は、機器製品に動きがあり、皆さん注目されているのではないでしょうか。

長らく、日本では代理店を通して販売をしていました。日本法人は来年で10周年を迎えますので、ちょうど9年前に代理店から直販に変わったということになります。

現在、社員はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

世界では380人ほど。日本法人は15名になります。

IVFに特化した会社ですので、社員が皆、IVFに関連する業務をしていることが、特徴のひとつだと思っています。

社長にお伺いしたいのですが、なぜ、このヴィトロライフ社に携わるようになったのでしょうか。

一つは、社会貢献を大事にしたいと思っていたからです。以前も医療関係の仕事に就いていたのですが、この分野が最も魅力的だと感じていました。

また、この業界は安定しており、成長もしています。新しい技術も順次、出てきていますので、とても面白いと感じていたことも大きいですね。

生殖医療において、日本と北欧の大きな違いは何でしょうか?

一番大きな違いは、補助金です。日本でも一部、補助金が出ますが、北欧では保険を使うことができます。回数制限はあるのかもしれませんが、年収等の制限はありません。そのため、多くの方は自費診療ではなく、保険診療で治療を受けています。

また、北欧では結婚していなくても治療を受けることができます。もともと、恋人として過ごす時間が長く、子供ができたことをきっかけに結婚をするというカップルも多いですし、子供がいても籍を入れない場合があることも大きく関係しているとは思います。

とはいえ、最終的な結果としては、日本とスウェーデンの両国においてIVFで生まれてくる割合は、どちらも人口あたり5%ほどですね。

治療を受けられる方の年齢に関していうと、日本ほどではありませんが、だんだんと遅くなってきています。日本では、結婚を決めてそれから治療を行うという流れですが、スウェーデンでは結婚しなくても治療が受けられるという側面はあるものの、それを加味しても平均年齢は上がってきています。

スウェーデンにおいて、男性の精子に変化はあるのでしょうか。

おそらく、ストレスの増加や食生活の変化によって全体的に精子の数も減ってきているという印象を受けます。

国ごとに分析したことはないのですが、全世界でそういう傾向だと思いますね。

今、御社がもっとも力を入れているのは、タイムラプスになりますか?

そうですね。これからの製品に関しては言えないことも多いのですが、会社としては、タイムラプスと培養液のふたつに最も力を入れているということは間違いないと思います。

先日、遺伝子検査を取り扱っているイルミナ株式会社のIVFでの販売権を弊社が買収しました。既に、ヨーロッパやアメリカでは販売し始めていますが、日本では未定です。これから様々な議論をする必要があると考えています。

今後のビジョンについてお聞かせください。

グローバルのビジョンは決まっており、基本的には“健康な子供が生まれてくることをサポートする”ということです。どのような商品であっても、それを最終目標として掲げています。

また、我々としてはラボで使うものは出来る限り、全てを揃えたいと考えています。自分たちで持っていないものに関しては、他の会社と提携するなど、高品質なものを提供することが本来の役割だと思っています。

そして、商品を提供するだけではなく、それに伴う教育やサポートまで行うことが出来ればいいですね。商品だけ売って終わるのではなく、良いものを正しく使ってもらうことで初めて貢献できるのではないかと考えています。

競合品も多く、実際のラボでは他社製品も使われていると思うのですが、サポート面で難しいと感じられることはありますか?

培養液は、基本的には採卵後に培養して受精させ、さらに培養するという一連の決まった流れがあります。そこで色々なメーカーのものを混ぜて使うと、我々のサポートが非常に難しくなるということはありますね。どこで問題が起きているのかわからなくなってしまいますので、そこは最も難しさを感じるところではあります。

機器製品については、それぞれ機能が異なっています。弊社製品では厳しい品質試験を行っていますが、他社製品と一緒になると全てを把握しきれていないというのが現状であり、そこが難しいところですね。

我々としては、この業界の中では世界一の検査センターを所有していると自負しており、スタート期から試験を重要視しています。厳しいテストに合格していなければ出荷しないということもあり、当然、廃棄や不合格のものも出てきます。そのため、製品自体は少し値が張ってしまうのですが、そのほうがお客様にとっては安心できるのではないかと考えています。

もちろん、試験の目標を下げることでより安い製品を提供することはできますが、そのような戦略は取っていません。

仮に、他社製品が入っていたとしても、出来るだけ良いラボ、良い成績を得るという最終目標は同じだと思うので、全てにおいて強制的に弊社製品を使っていただくといったことはせず、良い成績が安定的に出て満足されているのであれば、それが一番ではないでしょうか。

施設によっては個々のガイドラインにおいて、一社の製品だけで揃えられない場合もありますので、その中でどのようなご提案ができるのかということも大切ですし、その中で改善点なども見えてくると実感しています。

やはり、競合や競争がない限りは、何も改善されないですよね。そういった意味でも、ある程度の競争はあったほうが新しいものが出てくると思いますし、基本的に我々は近道を取ろうとはしていません。無理やり、売り上げのためだけに商品を勧めることもしません。意味のないものを買っていただいても、そのうち不満を感じられると思いますので、バランスが大切ですね。

商品導入後は、どのようなサポートをされているのですか?

日本法人には、胚培養士として実際の培養に携わっていた者が2名おります。彼らは新製品が出た時にはクリニックを訪問してサポートしていますし、会社としても勉強会の開催や海外から先生をお招きするなどのアクティビティを行っています。

場合によっては、海外にある本社へ一緒に赴き、世界中から集まったエンブリオロジストがタイムラプスを行うといった合宿をすることもあります。

<まとめ>

いかがでしたでしょうか。

ヴィトロライフ社の製品ラインナップの優秀性もさることながら、会社やそこで働く方々の志はもっと素晴らしいと感じたインタビューでした。

なぜヴィトロライフ社の製品の評価が高いのかが良く理解出来たインタビューでした。また、厳しい検査を自ら課しているところも好感度が高い理由と言えます。

今後も先生方や胚培養士の方々のラボパートナーとして、これからも多くの妊娠出産に貢献されることだと思います。

代表のマルクス博士、マーケティング部の小山さん、貴重なお時間をありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

<関連サイト>

ヴィトロライフ

https://www.vitrolife.com/

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